2018.10.20ブログ
着物の格って何?
こんにちは。
出張着付けの菊花房、小松です。
着物にはそれぞれ格があるってご存知ですか?
格って、自分が着物を好きになって着付けもするようになるまでは、さっぱり何のことかわかってなかったです。
ていうより、私は聞いたことすらなかった・・・。
いざ自分で着れるようになり、着物でお出かけしようとすると、ひっかかってくるのがこの「格」。
値段で決まるわけではないらしい。
ブランドものかどうかとか、そんなことでもないらしい。
簡単にいうと、カジュアルからフォーマルにいたるまでの段階ってとこですかねえ。
結婚式にジーンズとTシャツで出席したらおかしいと思われるのと一緒で、浴衣で結婚式に出たら場違いも甚だしいし、お友達とご飯食べに行くのにイブニングドレスや振袖着て行ったらドン引きですよね。
着物も当然そういうTPOに応じたチョイスが必要なわけです。
でも着物の場合、ほとんどが形は同じです。
振袖は袖丈が長いけど、他の浴衣や小紋や付下げ、訪問着、色無地etc. み~んな形は一緒。あ、袴はちょっと違いますね。
袴はまあ、卒業式や弓道などの特殊な時にしか着ませんが。
一体何で区別してるの?
自分の持ってるこれはいったいなんていう着物なの?
これ着て行っておかしくないかな。
帯はどれでもいいの?
母や祖母、叔母の着物をいただいたはいいけど、どのシーンに着ていいものか・・・。初めはよくわからずに来ていました。
「着物着たいけど難しくて」という声には、着付けの難しさ以外に、そういう難しさも含まれるなあと思っています。
そのへん、なるべく簡単にわかりやすくご説明できたらな~と思ってます。
いただいたものを着たり、着物をレンタルする際の参考にしてくださったら嬉しいです。
格について、高い順に書いていくと(これは女性用の話ですが)
1、黒留袖(結婚している人・慶事)、色留袖(五つ紋付きに限る・結婚している人・慶事)、振袖(結婚していない人・慶事)、喪服(弔事)
2、色留袖(三つ紋付き・結婚している人・慶事)
3、訪問着、色留袖(一つ紋付き・結婚している人・慶事)、色無地(三つ紋or五つ紋付き)
4、付下げ、色無地(一つ紋)、江戸小紋(紋付)
5、小紋、色無地(紋なし)、江戸小紋(紋なし)
6、浴衣
素材についてあまり考慮せず、ざっくり分けるとこんな感じ。
6の浴衣は普通は木綿でつくられていますが、ほかの1~5に関しては、素材や値段に関係なく、柄がどの位置に、どういう風に入っているかによって区別されています。
絹以外にも、木綿、麻、ポリエステル、紬(紬も絹ですが、節のあるざっくりした風合いのものです)、などなど、いろいろな素材で着物は作られます。
だいたい浴衣・小紋以外は絹が多いですが、ポリエステルでも、絹と同じように訪問着や黒留袖も時折見かけます。紬の訪問着もあります。
素材はこの格には基本的に関係ないと思っていいです。(といったら乱暴かな・・・)
黒留袖と色留袖は裾模様に紋が入っています。(詳しくは「黒留袖のパンチ力」を読んでください。)
振袖は袖の長い着物ですね。柄は訪問着などと同じように絵羽裾模様だったり、総柄だったりといろいろですが、とにかく華やか!未婚女性が艶やかに見えるようにできてますね。
袖の長さによって、小振袖、中振袖、大振袖と3タイプあります。成人式に着るのは普通は中振袖。小振袖は袴と合わせて着ることが多いです。大振袖は花嫁さんの振袖です。
喪服は黒の無地。柄は入っていません。そして家紋が白い染め抜きで五つ入っています。(入る場所は黒留袖と同じです)
この三つはわかりやすいし、結婚式やお葬式で目にする機会もありますよね。
完全にフォーマルです。
色留袖については「黒留袖のパンチ力」で説明しているので二重になりますが、紋の数によって格がちょっと違います。紋が多い方が格上です。
一つ紋の色留袖なら、訪問着と同じくらいのレベルです。
先ほどのランク分け2~4くらいまでが準礼装といわれる着物。
第一礼装に次ぐ、セミフォーマルとでもいったところでしょうか。
この中で、パッと見てわかりやすいのは色無地。
要するに柄が染められていない、一色使いの着物です。
地紋と呼ばれる、織りによって浮き出した模様があることもありますが、柄を染めてはいません。
色無地は紋がなければ小紋と同じくらい、紋が1つ、3つ、5つと多くなるにつれ、格があがります。
もともと江戸時代、正式な場には無地の着物に紋付きだったからでしょうか。
江戸小紋は型紙を使って染められたこまか~い柄の繰り返しが特徴の小紋です。
こちらはもともと武士の着る模様だったことから、普通の小紋とは違って格が少し上です。
中でも江戸小紋三役とよばれる三つの柄いきは、格が上とされています。
三役とは、鮫小紋、角通し、行儀という名の柄ですが、この柄に五つ紋だったら、訪問着位の格はあるかな~と。
ややこしいのが訪問着と付下げです。
一番着付けるときにお持ちの方が多いのですが、よく「訪問着・・・いや、付下げかな?小紋かな?」とご自身のお着物がどれにあたるかわからないとおっしゃることもしばしば。
そうそう、一番わかりにくいんですよ!この三つ。
まず小紋と訪問着・付下げの区別は知っていればな~んだというくらい簡単な区別。
小紋の柄は上下さかさまになっている部分があります。
柄の上下に関係なく仕立てられているのが小紋なのです。
訪問着と付下げの区別は・・・。
ここでは簡単な違いを紹介します。
訪問着と付下げは柄のつく場所が一緒で、どちらも左肩(前)から左袖(前)、右袖の後ろ、裾模様となっています。
でも訪問着のほうが、柄がつながっているようになっています。また、付下げは訪問着に比べ、簡単な柄であることが多いです。
とはいってもわかりにくいですね~。
菊花房の着物で見ると・・・
↑は訪問着。
こちら↑が付下げ。
なんとなくわかるでしょうか( ^ω^)・・・
また後日のブログでこれは詳しく書きますね!
小紋、紋なしの色無地や江戸小紋はお洒落着。いわゆる、お出掛けの時に着る着物。
お茶のお稽古や、お食事、観劇などに着ていくものですね。
私はお茶もやっていないし、フォーマルな場なんてそうそうないので一番着るのがこのあたり。
日常着レベルです。
お洒落着だと半幅帯もOKだし、気楽ですね。
小紋もいろんな柄があって、総柄の小紋だと付下げ位の感覚でパーティにも着ていけます。
ちなみにウールの着物。
ウールの着物は普段着です。あえて入れるなら洒落着と浴衣の間?
でも子供の時、ウールのアンサンブルをお正月に着せてもらっていました。子供だし、汚すし・・・って思ってたんでしょうか。
おとなのウールは普段着という印象です。
冬場あったかくて、よく私も着ます。ほんと、洋服よりとくに腰のあたりがあったかくって、ウールの着物は冬におすすめです。
浴衣は夏のカジュアル着。7、8月に着るものです。
昔は夕方以降、特にお祭りの時に着るものというイメージが強かったのですが、最近では夏のお出掛けや、デートに着るっていう方も増えて、適用範囲が増えた感じですね。
でも浴衣をフォーマルな場やお茶会には着ていけません。そこは秋冬の着物と同じ、さっきの格に合わせて着物を着ます。
夏は浴衣以外、着物なんかあるの?って思っていませんか?
夏の着物ってあるんですよ。小紋や訪問着などなど、袷きものと同じようにあります。なかなか目にする機会も少ないと思いますが。
でもそんな夏に絹買ってもお手入れ大変~、という方向けにではないですが、最近は「ワンランク上の浴衣」って銘打って、浴衣にも小紋にも見えるようなものが売っています。
これも便利です。長襦袢着れば小紋としても着られて、二倍楽しめるんです。綿だったらお手入れも楽ですね。
夏のなごや帯締めてちょっとお食事なんかも楽しいです。
ちなみに最近は浴衣も6月から9月初めくらいまでは着ていますね。
やっぱり温暖化で6月に単衣着るの、暑いですよね~。そんなときも、浴衣を夏小紋風に着るのも便利ですね。
菊花房でもいろいろな着物をレンタルしています。
着物のお写真はこちらをご覧ください。→菊花房公式HP
自分ではなかなか買わない夏の着物をレンタルで試してみたり、ご自分の持っている着物とは違う色を試してみたり。
もしご自分の着物をお持ちで、一体これはなんていう着物なのか、子供の七五三に着て行っても大丈夫かなとか、入学式や卒業式はOK?ってお悩みでしたら、ご相談ください。
菊花房は出張で着付けをしていますので、着付けの時に帯や小物をお手持ちの中から合わせることもしています。
できるだけ多くの方にとって、着物を着るハードルが下がるよう、お手伝いいたします(^-^)
出張着付けの菊花房、小松です。
着物にはそれぞれ格があるってご存知ですか?
格って、自分が着物を好きになって着付けもするようになるまでは、さっぱり何のことかわかってなかったです。
ていうより、私は聞いたことすらなかった・・・。
いざ自分で着れるようになり、着物でお出かけしようとすると、ひっかかってくるのがこの「格」。
値段で決まるわけではないらしい。
ブランドものかどうかとか、そんなことでもないらしい。
簡単にいうと、カジュアルからフォーマルにいたるまでの段階ってとこですかねえ。
結婚式にジーンズとTシャツで出席したらおかしいと思われるのと一緒で、浴衣で結婚式に出たら場違いも甚だしいし、お友達とご飯食べに行くのにイブニングドレスや振袖着て行ったらドン引きですよね。
着物も当然そういうTPOに応じたチョイスが必要なわけです。
でも着物の場合、ほとんどが形は同じです。
振袖は袖丈が長いけど、他の浴衣や小紋や付下げ、訪問着、色無地etc. み~んな形は一緒。あ、袴はちょっと違いますね。
袴はまあ、卒業式や弓道などの特殊な時にしか着ませんが。
一体何で区別してるの?
自分の持ってるこれはいったいなんていう着物なの?
これ着て行っておかしくないかな。
帯はどれでもいいの?
母や祖母、叔母の着物をいただいたはいいけど、どのシーンに着ていいものか・・・。初めはよくわからずに来ていました。
「着物着たいけど難しくて」という声には、着付けの難しさ以外に、そういう難しさも含まれるなあと思っています。
そのへん、なるべく簡単にわかりやすくご説明できたらな~と思ってます。
いただいたものを着たり、着物をレンタルする際の参考にしてくださったら嬉しいです。
着物の格付け
格について、高い順に書いていくと(これは女性用の話ですが)
1、黒留袖(結婚している人・慶事)、色留袖(五つ紋付きに限る・結婚している人・慶事)、振袖(結婚していない人・慶事)、喪服(弔事)
2、色留袖(三つ紋付き・結婚している人・慶事)
3、訪問着、色留袖(一つ紋付き・結婚している人・慶事)、色無地(三つ紋or五つ紋付き)
4、付下げ、色無地(一つ紋)、江戸小紋(紋付)
5、小紋、色無地(紋なし)、江戸小紋(紋なし)
6、浴衣
素材についてあまり考慮せず、ざっくり分けるとこんな感じ。
6の浴衣は普通は木綿でつくられていますが、ほかの1~5に関しては、素材や値段に関係なく、柄がどの位置に、どういう風に入っているかによって区別されています。
絹以外にも、木綿、麻、ポリエステル、紬(紬も絹ですが、節のあるざっくりした風合いのものです)、などなど、いろいろな素材で着物は作られます。
だいたい浴衣・小紋以外は絹が多いですが、ポリエステルでも、絹と同じように訪問着や黒留袖も時折見かけます。紬の訪問着もあります。
素材はこの格には基本的に関係ないと思っていいです。(といったら乱暴かな・・・)
第一礼装
黒留袖と色留袖は裾模様に紋が入っています。(詳しくは「黒留袖のパンチ力」を読んでください。)
振袖は袖の長い着物ですね。柄は訪問着などと同じように絵羽裾模様だったり、総柄だったりといろいろですが、とにかく華やか!未婚女性が艶やかに見えるようにできてますね。
袖の長さによって、小振袖、中振袖、大振袖と3タイプあります。成人式に着るのは普通は中振袖。小振袖は袴と合わせて着ることが多いです。大振袖は花嫁さんの振袖です。
喪服は黒の無地。柄は入っていません。そして家紋が白い染め抜きで五つ入っています。(入る場所は黒留袖と同じです)
この三つはわかりやすいし、結婚式やお葬式で目にする機会もありますよね。
完全にフォーマルです。
色留袖については「黒留袖のパンチ力」で説明しているので二重になりますが、紋の数によって格がちょっと違います。紋が多い方が格上です。
一つ紋の色留袖なら、訪問着と同じくらいのレベルです。
準礼装
先ほどのランク分け2~4くらいまでが準礼装といわれる着物。
第一礼装に次ぐ、セミフォーマルとでもいったところでしょうか。
この中で、パッと見てわかりやすいのは色無地。
要するに柄が染められていない、一色使いの着物です。
地紋と呼ばれる、織りによって浮き出した模様があることもありますが、柄を染めてはいません。
色無地は紋がなければ小紋と同じくらい、紋が1つ、3つ、5つと多くなるにつれ、格があがります。
もともと江戸時代、正式な場には無地の着物に紋付きだったからでしょうか。
江戸小紋は型紙を使って染められたこまか~い柄の繰り返しが特徴の小紋です。
こちらはもともと武士の着る模様だったことから、普通の小紋とは違って格が少し上です。
中でも江戸小紋三役とよばれる三つの柄いきは、格が上とされています。
三役とは、鮫小紋、角通し、行儀という名の柄ですが、この柄に五つ紋だったら、訪問着位の格はあるかな~と。
ややこしいのが訪問着と付下げです。
一番着付けるときにお持ちの方が多いのですが、よく「訪問着・・・いや、付下げかな?小紋かな?」とご自身のお着物がどれにあたるかわからないとおっしゃることもしばしば。
そうそう、一番わかりにくいんですよ!この三つ。
まず小紋と訪問着・付下げの区別は知っていればな~んだというくらい簡単な区別。
小紋の柄は上下さかさまになっている部分があります。
柄の上下に関係なく仕立てられているのが小紋なのです。
訪問着と付下げの区別は・・・。
ここでは簡単な違いを紹介します。
訪問着と付下げは柄のつく場所が一緒で、どちらも左肩(前)から左袖(前)、右袖の後ろ、裾模様となっています。
でも訪問着のほうが、柄がつながっているようになっています。また、付下げは訪問着に比べ、簡単な柄であることが多いです。
とはいってもわかりにくいですね~。
菊花房の着物で見ると・・・
↑は訪問着。
こちら↑が付下げ。
なんとなくわかるでしょうか( ^ω^)・・・
また後日のブログでこれは詳しく書きますね!
お洒落着
小紋、紋なしの色無地や江戸小紋はお洒落着。いわゆる、お出掛けの時に着る着物。
お茶のお稽古や、お食事、観劇などに着ていくものですね。
私はお茶もやっていないし、フォーマルな場なんてそうそうないので一番着るのがこのあたり。
日常着レベルです。
お洒落着だと半幅帯もOKだし、気楽ですね。
小紋もいろんな柄があって、総柄の小紋だと付下げ位の感覚でパーティにも着ていけます。
ちなみにウールの着物。
ウールの着物は普段着です。あえて入れるなら洒落着と浴衣の間?
でも子供の時、ウールのアンサンブルをお正月に着せてもらっていました。子供だし、汚すし・・・って思ってたんでしょうか。
おとなのウールは普段着という印象です。
冬場あったかくて、よく私も着ます。ほんと、洋服よりとくに腰のあたりがあったかくって、ウールの着物は冬におすすめです。
浴衣
浴衣は夏のカジュアル着。7、8月に着るものです。
昔は夕方以降、特にお祭りの時に着るものというイメージが強かったのですが、最近では夏のお出掛けや、デートに着るっていう方も増えて、適用範囲が増えた感じですね。
でも浴衣をフォーマルな場やお茶会には着ていけません。そこは秋冬の着物と同じ、さっきの格に合わせて着物を着ます。
夏は浴衣以外、着物なんかあるの?って思っていませんか?
夏の着物ってあるんですよ。小紋や訪問着などなど、袷きものと同じようにあります。なかなか目にする機会も少ないと思いますが。
でもそんな夏に絹買ってもお手入れ大変~、という方向けにではないですが、最近は「ワンランク上の浴衣」って銘打って、浴衣にも小紋にも見えるようなものが売っています。
これも便利です。長襦袢着れば小紋としても着られて、二倍楽しめるんです。綿だったらお手入れも楽ですね。
夏のなごや帯締めてちょっとお食事なんかも楽しいです。
ちなみに最近は浴衣も6月から9月初めくらいまでは着ていますね。
やっぱり温暖化で6月に単衣着るの、暑いですよね~。そんなときも、浴衣を夏小紋風に着るのも便利ですね。
菊花房の着物
菊花房でもいろいろな着物をレンタルしています。
着物のお写真はこちらをご覧ください。→菊花房公式HP
自分ではなかなか買わない夏の着物をレンタルで試してみたり、ご自分の持っている着物とは違う色を試してみたり。
もしご自分の着物をお持ちで、一体これはなんていう着物なのか、子供の七五三に着て行っても大丈夫かなとか、入学式や卒業式はOK?ってお悩みでしたら、ご相談ください。
菊花房は出張で着付けをしていますので、着付けの時に帯や小物をお手持ちの中から合わせることもしています。
できるだけ多くの方にとって、着物を着るハードルが下がるよう、お手伝いいたします(^-^)